タナカ スミス&ウェッソン M29 .44マグナム(モデルガン)後編

(続き)

カウンター・ボアードが無くリムが収まらない。M19/66のそれは80年代前半廃止されたが、M29/629はどうだったっけな……。
細部のディティール云々は、全体がよいだけに「何でここが!?」となってしまう箇所である。大雑把に挙げると、
・フロントサイトのベースとブレードが低い。
・リアサイトが若干後方にずれている。
・フレーム側のバレルピンが無い。(特に6.5インチの場合は考証的に)
・4インチの場合、エジェクターロッド・シュラウド先端右側の面取りがおかしい。(もしや8inもか?)
・シリンダーがカウンター・ボアードでない。
・フレームのシリンダー・スタッド(抜け止め)が出すぎ。
・ハンマーノーズ基部がモールドだけ。(ノーズ自体はちゃんと別パーツで可動する)
・グリップフレーム前面の縦グルーブ(ミゾ)が無い。

バレル・ピンが無い。確かに80年代頃に廃止はされたが……。そして4inのシュラウド形状(--;)。

アサイトはプラリペアとピンバイスがあれば簡単に修正がきくので(ネジ穴を削って拡大し、そこにプラリペアを少量盛る。サイトを前方にずらしてネジを締めて硬化を待つ)6.5inの方は早々に実行。
それ以外は個人でのカスタムがやりづらい(根気と材料と工具があれば可能だろうが)箇所が多く――Fサイトくらいは、せめてABS板とプラリペアで少しでもかさ上げしてやろうと思ったけれど――メーカーサイドで何とかしてほしいところ。
(ただ、グリップフレームの前面ミゾに関しては、サービスサイズのグリップでも付けないと判らないしな……)

実物ローダー(写真はHKS社の“29”)が使用できる。

寸法的にはケース(薬莢)部分が実物より約1mm短い。弾頭はアルミ地肌。バーチウッド社の“アルミブラック”で染めたのが中央。カートのリム部刻印はレミントン製を再現。隣の実物空ケースはウィンチェスター製
(240グレインのJSP弾頭だった)。
が、しかし、全体のプロポーションは実銃のそれをしっかりトレースしているし、Fサイトが低いのは残念だが、トリガーとハンマースパーがワイドなのがポイント高い。コクサイのはトリガーがセミワイドで、これはこれでおかしくは無いのだが……これも長らく不在、というべき存在だった。

そして作動。タナカM29の素晴らしさはここにある。というかこれとプロポーションのよさ&ほぼフルサイズカートがあるからディティールの甘さが気になるのだが。
従来のコクサイの作動もよいのだが、DAで極端にゆっくり引いたり、同じくSAでハンマーコックをゆっくりしすぎるとシリンダーが回りきらない、という事も時々ある。(特にJフレ5連発のチーフ)
タナカの場合、SAもDAもシリンダーが回りきらない、という事はまずない。恐ろしくかっちりしている。ここまでくると、まだモデルガン化されていないM10ミリタリー&ポリスや、思い切ってJフレームでM40センチニアルあたりも期待したいのだが……。あ、M629はなんとしてもノーマルの! 6inで! なぜなら、
Trust me , I know what I'm doing !
ってやつだから。