グンゼ産業 グリズリー・ウイン・マグ



バブル期前後というのは、結構日本のトイガン界は面白い事になっていた。
MGCが何かに憑かれたかのように、モデルガンと固定スライドガスガンで1911系バリエーションを山の様に展開したり(M16系もすごい事になっていたが)、はたまたコクサイのガスリボルバー群や、アサヒとトイテックの競作となったM134バルカンなどという大物も出た時代だった。
そんな中、それまでトイガンと無縁だったプラモメーカーが業界に参戦するという出来事もあった。アオシマとフジミ、グンゼ産業(現・GSIクレオス)がそうだ。――しかし結局、これら三社はプラモデルメーカーとしては今なおその名を轟かせるものの、トイガンメーカーとしては21世紀の声を聞く事はできなかった、と思う。


私の所有するグリズリーはコンペンセイター仕様。確かグンゼからの新製品リリースが途切れた後の1995年、静岡ホビーショーのグンゼブースで……えーと、1.500円でSIG・P226やS&W・M5904等と共に売られていたのを購入したのだ。

2丁購入して1丁は友人に譲ったように記憶しているが、今となっては226や5904も買っておけばよかったと後悔している。
確かアームズ誌の1995年6月号で、癌住吉氏がWAマグナブローバックのガバと組合せてグリズリーのカスタムを作っていた。興味のある人はバックナンバーを探して読んでみるといい。
 
スライドとフレームはモナカではない。コンペンセイターは中のスプリングがキツいのか、購入当時から下向きだ。

アサイトはミレットだ。確かこのサイトを製品化したのは、MGCCZ75コンセントレーターくらいしかなかったような気がする。チェンバーの金属カバーにも刻印がある。


グリップセフティとサムセフティ(ちゃんとアンビだ)はライブ。ハンマーのクォーターコックも可。グリップはラバー。

ガバのそれを前後に長くしたグリップフレームだが、とりあえずグリッピングは見た目ほど悪くはない。
 
マガジンはほぼフルサイズ、側面の穴から、ウェイト兼用のダミーカート(?)が見える。スライドストップは軸が細いがライブだ。
 
まともに実射したことはなかった、と思う。コッキングはやたら硬いし、どちらかといえばトイガン唯一のグリズリーという一種のキワモノ故に愛でる、というのが実際だ。
コッキングガンとしてのコストパフォーマンスを考えると、東京マルイの牙城は崩しにくいといえるが、こういうニッチな存在はやはり捨てがたい。