タナカ スミス&ウェッソン M29 .44マグナム(モデルガン)前編

Do I feel lucky? 

やはり0.5インチの差は大きい。まったくもって“短かくも長き不在”というやつだった。
タナカが“ペガサス”でM29をリリースするまで、長年にわたってトイガン界ではM29の6.5インチはラインナップから消えうせ、6インチばかりだったのだ。(ヨネザワのガスガンは確か6.5inがあったような気もするが)
無理も無い。実銃のM29は、80年代初頭にステンレスモデルのM629がリリースされた頃に6.5inが消滅し6インチとなった。当然、それ以降の82年頃にリリースされたコクサイの“ニューM29/629”は6.5インチでなく6インチだった。メッキや塗装でM629を出すなら6.5inじゃ……だし。

とはいえ、M629はともかく、M29に関してはデザインバランス的に6インチではなぜか寸詰まりな印象をうける。6.5inの方が全体の雰囲気がよいし、やはりダーティハリーを外すわけにもいかない。ハリーのM29とくればやはり6インチじゃダメなのだ。6.5インチじゃないと!
……ここで“ダーティーと伸ばしちゃいかんのですよ奥さん(謎)。あの日本版ポスターの“描き文字”を見た以上。

6.5inはキャロムのスプレー“ブルースチール”と、ワークの“こすって銀SUN”の磨き仕上げに、ホーグの実物ラバーグリップ。4inはABS地肌に純正プラグリップのまま。
この2丁を手に入れたのは、6.5インチが一昨年2008年の10月、4インチが昨年10月で、どちらもマルゴーの通販でだった。
タナカの6.5in購入時、コクサイのM629 6inとどちらにするかいささか迷ったのも事実だ。コクサイのM629はサンプロジェクトでのブランド復活後、旧コクサイ時代には何故か出なかった“ニューコンセプト”シリーズに相当するモデルガンだから、出来栄えはこちらも素晴らしいはずだ。
とはいえ、コクサイはカート――旧製品より長く、フルサイズに近くなった――の価格が発火用6発3.500円・ダミーカート6発4.000円と共に高い。それにスピードローダーの問題もあった。コクサイ純正のスピードローダーは近年とんと見かけず、さりとて実物スピードローダーが使えるかどうか?
タナカのカートは2.205円、コクサイと比較してだいぶ安いし、直径もほぼ実寸に近いから実物スピードローダーも使用可能なのがポイント高い!


で、実際手にしてどうか? だが、
・全体的にはよいプロポーションである。
・作動フィールと確実さはコクサイを超えた、かもしれない。
・細部のディティールはいささか難あり。
といったところである。
(続く)