M29モデルガンマニアックス(?)コクサイM29デビル8in

1980年代、イチロー・ナガタによるレポートで日本のガンファンに知られるようになった
PPC競技。

そこで使用されるカスタムリボルバーの数々、当然ながら日本のモデルガン業界でも製品化の動きが出た。出たんだってば。

ただ、当時は昭和46年と52年の規制をくぐりぬけ、しかも「ダーティハリー」あたりからのマグナムブームが吹き荒れた後で、ベースとなるプラ製リボルバーは種類が少なかった。
早い話が、MGCもコクサイも実質的にM29とパイソン(と、ローマンとトルーパーのコルトMkIIIはさすがにベースとしてインパクトが弱かったか?)しかなかった。
というか、パイソンからあのバレル外したら、初代トルーパーと区別つかないような気がするんだが。


で、MGCとコクサイのM29カスタムは、それぞれ調整可能なリブサイトと、二種類の形状(と、8 3/8inと6.5inの長さ)のヘビーバレルが装備されていた。

ヘビーバレルは太く丸いラウンドと、“スラブバレル”と呼ばれたフラットな側面のバレルの下面に着脱式ウェイトがついたタイプだった。

MGCの“.44マグナムPPCカスタム”は、当時ハードケース入りで木製グリップとシルバーカートが装備されていた。当時はパイソンPPCカスタム(ウェイト無しのスラブバレル)と共に「西部警察パート2・3」で火を噴き、そして伝説となったのは周知のとおりだ。
では、コクサイの方は?

コクサイではPPCとは称さず、M29カスタム“サターン”(ラウンドバレル)と“デビル”と名づけた。
箱は普通の紙蓋と発泡スチロールだったが、実物パックマイヤー社製ラバーグリップ(!)と、スピードローダーが付属していた。

私のは矢2億、いやヤフオクで2005年頃だったか、確か五千円程度(もう少し行ったか? 少なくとも一万は行かなかったと思う)入手したもので、グリップは後のニューM29プラorニュー金属M29のプラグリップがついていた。多分前オーナーが他のに流用したのだろう。
ローダーと箱もそろっていたが、いろいろあって紛失してしまった、残念。

時系列で言うと、コクサイのS&W・NフレームはMGCのコピーとされる(アレンジはあったが)初代プラ&金属M29とM28ハイパト(一応.357だった)からスタートし、それが新設計で1981年のM29カスタム、更にニューM28、翌82年のニューM29&M629、そして85年(だったと思う)のニュー金属M29に発展していったわけだが、このM29カスタムはまだまだ未消化といえる部分が多かったようだ。

エジェクターロッド周りは先端のロック機構が省略され、というかあきらかに短い上に緩みやすく、作動はあまりよろしい、とはいえなかった。少なくとも私の所有する個体は。


サイドプレートはニュー金属以前、というかプラ初代ミリポリ以前の、リコイルシールドがフレーム側でないタイプ。トリガーガードも形状はイマイチ。これが解消されるのはニュー金属までまたないといけない……。

ド迫力のリブサイトとバレル。しかし重い! フレームがしなるので怖くて振り回せない。
タナカベースでこういうカスタムが欲しいなあ……M629PCではダメなのよ。私も「西部警察(再放送だけど)」世代だから。

つーかホントに「西部」の後で「ゴリラ 警視庁捜査第8班」は、微妙にコレジャナイ感があったんだよなぁ。色々と。