今週のお題「おすすめの本」えー、翻訳者によりますと……。

版権の交渉すら
出来ないというのは
あんまりです。(血涙)

http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/20110607/1307396779

……どうりで続きが出ないわけだ、ああもう。


ジャネット・イヴァノヴィッチ、そこそこメジャーな作家だとは思いたいのだけど……どうなんだ?

私が愛したリボルバー (扶桑社ミステリー)

私が愛したリボルバー (扶桑社ミステリー)

アメリカ合衆国ニュージャージー州トレントン、隣近所みんな親戚だったり同級生だったりやたらめったら人間関係の濃い土地。
この街を舞台に、元・下着バイヤーにして失業中のバツイチ三十歳、ステファニー・プラムがバウンティ・ハンターとして颯爽と登場!

しません。

颯爽と、どころではない。

仕事はないが実家へ戻るのもイヤ、ではどうするか?
名高いド変態にして保釈請負会社を経営しているイトコのヴィニー、彼のもとで書類仕事でも、と思ったらその仕事は既にふさがった後。結局ステファニーが選んだのは、保釈金を踏み倒して逃げる逃亡者をひっ捕まえてくる“賞金稼ぎ”バウンティ・ハンターの仕事! ……しぶるヴィニーを脅迫してその仕事にありついたステファニーだが、彼女の追う相手は殺人容疑で逮捕された警官にして、彼女にとって色々とワケアリの相手ジョー・モレリだったのだだだだだだ。


だだだだ。


バウンティ・ハンターとくれば、園田健一の「ガンスミス・キャッツ」でも知られる職業だが、あっちはガンアクションを盛大に描く(そして、ちょくちょく正当防衛とはいえ射殺している)作品であり、あまり賞金首を連行してきたというイメージがない……。

GUNSMITH CATS 新装版(1)

GUNSMITH CATS 新装版(1)

ともかくステファニー自身、幼馴染にしていとこのシャーリーの亭主であるガザラ巡査部長に、銃のレクチャーをうけるにあたり
「銃について知ってることは?」
「あたしは好きじゃないってことだけ」
ダメすぎる。

そんな彼女がセミオートより安かった」という理由でガンショップで買った(そして「所持許可」は得たが、「携帯許可」は出ていない)拳銃、S&W・M60チーフスペシャル。


コクサイのモデルガン(ニューコンセプト旧型カート)、グリップはアルタモント。

天然ボケカワイイ系破天荒ババア(他にどう言えと?)メイザおばあちゃんいわく「なかなか美しいものじゃないかい?」
美しいものだということは認めざるを得ない、とステファニーも評したこのリボルバー、彼女自身、なるべく存在を忘れていたいフシがある(寝床はクッキー缶だ)が、周りがグロックだなんだと持ってる中で、ここぞというところでしっかり役にたってくれるのだ。

大体、出てくるキャラがみんなやたらと立っている。敵も味方も通行人も。そしてステファニーは毎回命の危険に迫る勢いで大恥をさらしまくり、凶悪な変態にでくわす。
逃亡者捜索の過程で徐々に暴かれていく地域社会のヒ・ミ・ツ、NHK海外シットコムのノリで展開するサスペンス。

ああ、それなのに、この作品の続きがもう読めないというのか?

……これは英語を勉強して、原書で読めということだろうか。

One for the Money (Stephanie Plum Novels)

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Sizzling Sixteen: A Stephanie Plum Novel (Stephanie Plum Novels)

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