「メガロ刑事」以来、田辺節雄作品にハマったのだが、お気に入りの一つが田中光二の同名小説を原作にした「白熱(デッドヒート)」である。
1970年代半ばの横浜、偶然から大金を手にした青年が、自分の誇りを買うため――自分に屈辱を与えた謎の走り屋を捜し求め旅に出るストーリーだ。
原作小説はもっか「GTroman STRADALE」に再録連載中だが、けっこうコミカライズとは細部のストーリーが異なっていたり、原作のいきいきした描写、主人公の想いなど、既に田辺版を読んでいても楽しめた。
田辺版の場合、劇画としての連載ページに収めるための改変とか色々あるのだろうが……迫力あるタッチで、こちらもグイグイ読ませる快作である。
