マニア様がキテる――「メガロ刑事」(4/10)

広域捜査、というわりには、何もメガロ刑事を投入せんでも……という事件や、見城が突如偶然にも巻き込まれる事件、というものもある。
第3話では、国鉄(当時)のL特急“あやめ”の車内(検索してみると、当時の路線はは東京〜鹿島神宮or銚子らしいので、千葉に向かう途中か帰途か?)で、見城は錯乱した男の発砲事件に巻き込まれる。
一度はショットガンのストックで殴り倒され失神するものの、落とした.357マグナムは他の乗客の機転で隠された。失神した見城は、篤子との出会いと二人の生活、そして突然の彼女の死――その記憶を夢に見る。
間一髪、覚醒した見城はマグナムを受け取ると、更に女を襲い殺そうとする犯人を射殺した。
第4話、名古屋で警察拳銃を奪った連続強盗殺人犯を追う見城。江本からの情報は「名古屋の一件を除いて犯行が静岡県のY市の周辺で行われている」つまり恐らくY市在住で、面の割れる可能性を恐れ地元でのヤマを踏まない。重傷者の証言から、犯人は無類の麻雀狂で、国士無双イカサマを使う男だと……。雀荘を転々としてたどり着いた最後の一軒。腕のありそうな連中の集まる卓で、賭け麻雀をふっかける。――遂に国士無双イカサマをする男が現れた。
身分を明かし、男を昏倒させると背中に担いで連行する見城。だが人気の無い場所で、突如撃たれて倒れる。犯人は同じ卓にいた他の男だったのだ。昏倒したままの男に拳銃を握らせる犯人……だが、見城は脇腹をかすめただけで、二人乱闘になる。目の覚めたイカサマ男は、あわてて拳銃を放り出し――犯人はそれをとっさに掴む。だが見城のマグナムが一瞬早く火を噴いた。
第5話、あるSM同好会で女が絞殺される。水沢財閥の御曹司、水沢悠治の妻だ。。
シャブ密売屋の捜査で伊豆に潜入していた見城だが「こっちの計算ほど捜査が進展してはいない!」見城にやる気がない、と結論付けた江本に呼び戻される。現場は東京だが被害者の住所は千葉。「広域刑事、見城サンの出番だろうが?」捜査資料を受け取り消える見城。「こんな楽な事件につけず、いまに命を的の捜査にぶち込んでやるからな」そしてあの世に送り込み篤子にわびを入れさせてやる。呟く江本。

見城はカプセルホテルに宿を求めるが、そこに水沢家からの使者が来る。「水沢物産の倉島といいます、見城さまでいらっしゃいますね?」高級クラブに場所を移す二人。
水沢家としてはこれ以上マスコミに騒がれたくない、よって事故死として処理したい……捜査中止の依頼だ。そこに現れる江本。「確かに政治的配慮というやつが、ウエには働いてきたらしい……」
報告書の限りでは明らかに殺人臭い、と見城。しかしSMで相手の首を絞める事はよくあるらしい、よって事故死という結論でも異は唱えられん、という江本。
「ふざけんじゃねえッ! そんな事は百も承知で俺を俺を呼び戻したんだろうがッ!?」対峙する二人。
「やるのか?」ニヤリとする江本。
「俺の性格は十分承知してんだろうが!」
被害者の夫、水沢悠治は、捜査から手を引くとは思えぬ見城を
「だったら殺るしかあるまい!?」
と倉島達に言い放つ。……夜の京葉道路、倉島達はバイクで移動中の見城を追跡し、追突・転倒させる。とどめをさそうと試みるも失敗し逃走。見城は大破したバイクを捨て、後続車を強奪して倉島達を追う。
そして千葉の水沢邸――女達を縛り上げSMプレイに興じる水沢会長、そこに日本刀を振りかざし現れる悠治。息子の妻にSMプレイを教え込み、手をつけたのは父親だった……復讐としてまず妻を絞殺した悠治は、いま父を殺そうとする。しかし倉島達は「やはり会長のほうが人生の達人と存じます……」会長の命で悠治を病院へ送り込もうとする。
だが見城は負傷しながらも、水沢邸にたどりつき三人を逮捕する。
「それにバイクの弁償は、きっちりしてもらうぜ!」ムチを振り上げながら追い立てる。
(続く)