MGC コルト・ローマンMkIII(旧型2in) その2

特捜最前線」の最初の一年、森山修一郎ナレーションによるOPの時代は、後年にくらべかなり発砲することが多かった。というか後に加入した橘、紅林、叶を含む比較的初期のメンバー中、降板までに犯人を射殺したことがないのは高杉刑事と滝刑事くらいではないだろうか。

さて、「殉職・涙と怒りの花一輪」では、老刑事船村一平(大滝秀治) がローマン2inを使った。
船村刑事が目をかけていた中川巡査は、人質篭城事件で殉職した同僚の息子だった
(どこぞの大富豪とは無関係)。人質だった女性と婚約中であり、勤務にも励んでいた彼はある日、何者かに襲われ拳銃を強奪される。
船村の計らいで捜査に加わった中川巡査だが、ついに拳銃は強盗事件に使われてしまった。そして犯人と遭遇した彼は、自分の拳銃で射殺されてしまう――。嘆き悲しむ母と婚約者。船村は同僚の墓前で泣き崩れる。そこに高杉刑事が、犯人の相方を逮捕したと伝えに来る。
 
女に貢ぐため強盗事件を起こした主犯について自白させた船村だが、その男は女を人質に廃工場へ篭城した。包囲する警官隊。防弾チョッキをつけるよう促す桜井刑事に
「人質の女は防弾チョッキを着ていない」単身突入する船村。
おやっさんは死ぬ気だ!」後を追う神代課長たち。
そして対峙する二人の男――。
 
船村刑事の手に握られたのは、まぎれもなくMGCのローマン2inだった。サイドプレートのプラスネジや表面のテカリ、それを踏まえても、大滝秀治の鬼気迫る姿とともにローマンは圧倒的な存在感を放っていた。

 
後年、「愛・弾丸・哀 7人の刑事たち」で、船村刑事は躊躇しながらローマンを手にする。そしてその皮肉な結末が忘れられない。