平成を彩ったコミック・ラノベに見る個人の記憶――「なあばす」

令和になったからと言って、さしあたり何がどう変わるわけではない。

 

今週の木曜、つまり今日は仕事だった。

 

今週は珍しく土日、つまり5月4日、5日が休みなのだが、別にゴールデンウィークらしい何かがあるわけでもない。

 

だいたい連休だからといって、どこかに出かける余裕があるわけでもない。

……バブル崩壊したばかりの頃って、もっと今より余裕があった様な気がするんだけどなあ。まだまだ「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の残り香は実態を伴っていたように思う。

 

そんな時代のコミックとして私に記憶されるのが、

 

たがみよしひさ

 

Nervous breakdown 1 (ノーラコミックス)

Nervous breakdown 1 (ノーラコミックス)

 

 

 

 

である。

 

連載開始は1988年からなので「昭和63年スタート」には違いないのだが、同年後半の「自粛ムード」は無く、約9年後の1997年(平成9年)春まで連載された、平成初期の「明るい時代」を描いた作品だった――。……もう二十年以上経つのか。

 

確か89年か90年頃に古本で1巻を入手し、その後は新本でそろえて行った記憶がある。

初期はまだ方向性が固まっていなかったのか、モブキャラに旧作キャラがいたりもしたが、2巻から「軽井沢シンドローム」「我が名は狼(うるふ)」「フェダーイン:戦士」「依頼人(スポンサー)から一言」といった旧作キャラがゲスト出演するなど賑やかに、なおかつ終盤でなく中盤で主人公とヒロインが結婚といった大幅な環境が変化した。

読み手(つまり私)の意識の変化もあったと思うが、この結婚以降は推理物としてだけでなく、結婚した主人公とヒロイン夫婦、なかなか恋愛の進展しない副主人公とその彼女(第三のヒロイン)、失恋続きのサブヒロイン、引退した元ボスの群像劇という側面も出て、また話の広がりが出ていた。

 

(続く)