「風立ちぬ」やっと見てきた。

今日になって、やっと見に行けたわけだが。

えー、既に多くの人が見たわけだが、単純にして難解である。


ある程度、当時の時代背景を知らないと何が何だかわからないだろう。
関東大震災という大惨事があった」
「戦前の日本は世界に追い付こうとしていたが、まだまだ後進国だった」
結核は死病とされていた」

1番目の震災については、とりあえず検索すればいろいろ出てくるのでそちらを。

……2番目、今の十代にはホント実感として判らないかもしれない。

バブル期に子供だった私は無邪気に“ジャパン・アズ・ナンバーワン”を信じていた部分もあって――それが故に、もはや「日本製はとにかく最高」などと無条件に信じられないというか。
言い方を変えれば、それ以前はまだまだ日本製は発展途上――ただでさえ「ゼロ戦は当時の世界水準を大きく超えた」云々と語られてきた、ってことは、戦前の日本の技術力なんてものは……。
劇中でユンカースのスタッフが「技術を盗まれてはたまらん」云々というのを聞いて、
「なんで日本がドイツの技術パクんの? 逆じゃね!?」
とか思った中学生とかいそうだな、ホントに。

個人的には、カプローニ伯爵の作った飛行機たちを見て「やっぱイタリア製ダメじゃん」とか思い違いをする連中がでそうでイヤだなあ。

で、3番目、ヒロインが冬山で寝袋みたいなのに入って、いったい何をしてたのか? というのも、判らない人が恐らく大勢いたのではないだろうか。
あの瞬間「!?」と私も思ったが――つまり、当時はああいう治療だったんだな。

私はモデグラの連載を一応読んでいたので(立ち読みだったけど)――あのクレソン氏がどうなるのかな、と思ってたら、えらくインパクト強い人だったなあ。

二郎の鳥型飛行機、キレイだったなぁ……ファインモールドから出たら買うぞ。

ファインモールド 風立ちぬ 二郎の鳥型飛行機 FG6 1/48スケール プラモデル

ファインモールド 風立ちぬ 二郎の鳥型飛行機 FG6 1/48スケール プラモデル

……今、大正時代のヒコーキ話で、すごくアレな話を思い出した。ちっとも大正時代という設定を活かせてない話を。(アレもヒロインは不治の病に侵された少女だったな)

病床の妻の傍で喫煙するシーン、確かにどうなの、と思わなくはないが、二郎はちゃんとそこで躊躇っている。むしろ「それでもいいから」という菜穂子の心情に答えた結果、だろうなぁ。


零戦を期待していく映画じゃない、というのも最早周知のとおりだ。
あと、庵野秀明による演技は、うまいかどうとかいうより「じゃ、他に誰か似合うのか?」という気になってくる。

とりとめない内容になったが、最後にひとつ。

堀越二郎を見てて思った、誰かに似てる――。

大蔵省の入江省三。