マニア様がキテる “ポンバシ買い出し紀行 煩悩実験室”

・「ほらね春が来た!!」 発行/美月亭(美月さん)
この方の作品は、なのは関連しか読んでなかったのだが……初の東方本という事で、かなり試行錯誤した様子。
おこたで引きこもりモードに入らんとする霊夢と、例によって勝手に上がりこんだ魔理沙。そこに訪れた“春”――というかホントになんて春が来てるんですか、反則にもほどがある(いいぞもっとやれ)。

・「蒼空市場〜OPEN-AIR MARKET〜」 発行/蒼空市場(蒼)

……これもう同人誌の分厚さじゃないでしょ(汗)。
あとがきとか含めてオーバー400ページ。読んだ事のある作品も多いけど、こうして改めて読むと――物理的にも重いし、ストーリー的にも重い作品が多い。
魔理沙の独り立ちと、霊夢との出会いを描いた「例えば いつか夢見た日々と」。現在となっては公式設定にはいささか一致しないものの、それは瑣末な問題だろう。魔理沙とその祖父を取り囲む負の感情と危機、そして悲劇。幻想郷に受け入れられなかったと絶叫する魔理沙に“賽銭箱に一度もお賽銭が入ったことのない”理由を問う霊夢
「Scarlet&scarleT」では、いつの頃からかフランのもとに魔理沙が訪れなくなり、紅魔館からは咲夜の姿も消えた。――ある夜、魔理沙を求めて外に出ようとするフラン。それを押し留めようとする美鈴。姉としての想いをパチュリーに語るレミリア。そして魔理沙の家の前で姉妹は対峙する……。
各作品共、程度の差はあれどいささか重い(単に暗い、というのとは違う)展開を見せる。そして憑き物が落ちたかのようなラスト。……一冊ずつ読んでいれば、また違った印象を受けるかも知れないが、こうして積み重なると圧倒的だ。
ただ表紙の魔理沙の可愛さに惹かれて読むのもありだろうが――油断めさるな。