コクサイ コルト・パイソン(2/3)

原題“Police Python 357”――オープニングからして、蒼黒く冷たい輝きを放つパイソン4inのアップだ。

男の手が、食事を作るのと.357マグナム弾をリロードするのとを交互に映し出す。
溶かした鉛を鋳造ダイに流し込み、空ケースにプライマーと火薬を詰め、固まった鉛弾頭を押し込む。
6発装填すると、回転を確かめながらシリンダーを静かに閉じ、右腰のサムブレイク・ヒップホルスターに収める。夜の教会へ、張り込みに出動だ――。
イヴ・モンタン扮するマルク・フェローはオルレアン警察のベテラン刑事だ。職務以外では他者と触れ合おうとせず、孤独を貫いてきた彼だが、ある夜ひとりの女と出会い、恋に落ちた事から、彼の生活は大きく狂い始める――。

この映画が公開される、という事で、モンタンもパイソンも好きなMGCの小林設計開発部長(当時)は周囲の重役陣を口説き落とし、開発コード“PY-2”ABS製モデルガンのパイソンを造ったのだ、という。(60年代に金属でパイソンを既に作っていた)

で、私も「モデルガン・チャレンジャー」で小林副社長(当時)による件の記事を読んで以来、フェローへの憧れが先行し……遂に94年頃か、レンタルで見ることが出来た。……重い映画だったが、不快ではなかった。こういう映画もあるんだと、少し大人になった気がしたものだ。


というわけで、HWのパイソン4inが特価で売られているのを見て、すぐさま購入。
コクサイのパイソンは、元々70年代に金属とプラでリリースされたが、80年代初頭にはフェードアウトしていったようだ。その後も広告で“特価セール”として初代プラM29・M28やローマン&トルーパーMkIIIと共に売られていたが、1986年頃に金属製モデルガンで新型がリリースされ、96年頃にその金型を転用した“ニューコンセプト”シリーズのプラ製(HW黒とABS銀)が登場した――これがそれだ。
MGCのを見慣れているといささか細身なイメージだったが、実際にはこれぐらいの寸法なんだな……グアムで撃った実銃もこんな感じだった。
 
んで、コクサイのパイソンのマズル――これを磨いてやろう、と思った結果、4inが6inになってしまったのですよ奥さん(謎)。(続く)