“少女に与えられたのは、大きな銃と小さな幸せ”の物語――完結

本日、
「GUNSLINGER GIRL」15巻特装版が発売された。

GUNSLINGER GIRL(15) with Libretto!II (電撃コミックス)

GUNSLINGER GIRL(15) with Libretto!II (電撃コミックス)

……9月末以来、「ガンスリ」「最終回」で検索かけてくる人が多かった――カウンターがやたら回る原因だったよなぁ。

作戦部長とアラゴン参事官のやりとり、改めて読み返すと、やはり部長は作品を引き締める重要な存在だったなと痛感する。二課長やドラーギ一課長の手綱を握り、政治面からも戦うその手腕、有能であれポッと出の“戦う者たちの心情も知らぬ”アラゴンごとき敵ではなかった。
戦う意思を示したからこそ、“社会福祉公社”は次の世代への芽を残すことができた。参事官の甘言――彼女自身、その発言を信じていたとしても、それが実行されずとも痛痒は感じなかっただろう――に乗ったならば、その全てが闇に葬られるか白日の下にさらされるか、どちらにしても公社のすべては無に帰した筈だ。

そして追加されたエピローグ。
文字通りの新しい“船出”、希望を感じさせつつも、これは同時に文字通りの“島流し”ではないのか、という気もするのだが――義体たちのその後を――決して全てではないにせよ描いてくれたおかげで、なんとか収まりがよくなった気がする。

とはいえ描かれなかった一期生や二期生達のストーリーも、いずれ何らかの形で(出来ればヘンリエッタ達三人娘がメインだった時期のムードで)発表されないかと、どうしても期待せざるを得ない。
ジャンが再び陸に根付くまでに何があったのか――きっと、クラエスや二期生から山のように託されたものがあったに違いない。
(ところでアシク達はどこまで逃げ延びたのだろう?)

さて、
特装版とくればフルカラー小冊子「Libretto! Ⅱ」である。
……ページの開きが硬いな、というか、なんか製本の糸がちょっとほどけてるんだが大丈夫か?
(すぐにバラけることはなさそうだが)
フーゴとスベランツァの描ききれなかったというエピソード、これも同人誌でも番外編でもいいから、じっくり描いてほしいが――あるいは、更に描かれていない部分は読者ひとりひとりが心の中で補完すべき部分かもしれない。
もう少し正確に言うなら、この小冊子を読まないことには十年間に及ぶ「ガンスリ」の物語は完結しない、というべきだろう。

少女たちの物語は完結した、だが、希望を繋ぐ旅路はまだ終わらない。