敬老の日、に思い出す。

スーパーの寿司コーナーで「敬老の日パック」が並んでいた。

そうだ、もう私には、敬老の日だからと祝う祖父も祖母もいない。

実父方の祖母が十年ほど前、亡くなった。祖父がその後を追うように、翌年亡くなった。
大分疎遠にはなっていたが、当時――今もだが――私は色々と激動の日々を送っていたりして(確か、祖母が亡くなった時は渡英準備中だった気がする)、静岡のおばたちも私にあえて知らせなかったのだ。

母方の祖父が、私が今の土地に来た年の秋に倒れ、翌年の初夏に亡くなった。前後して母方の祖母も体調を崩し、継父方の祖母も年を追うごとに老いを重ね――、

去年の秋、相次いで亡くなった。
 
シルバーウィークの直前、京都の祖母が。
そして10月の終わり頃、見舞いに行ったその日の夜半、静岡の祖母が。
 
京都へ帰っても、
静岡へ帰っても、
まだそこに居るような気がする。

居ないという現実を受け入れているはずなのに。