今週のお題「都会 or 田舎?」

暮らしたかったのはむしろ、都会だと思う。
 
というより、静岡を離れ、関西で暮らし、そして今は四国に住むわけだが――今の土地へ来て、田舎という意味を知った。
 
田舎というと、なんか田畑があって自然が豊かで空気がきれいで――というステレオタイプなイメージがあろう。
ところがどうして、私の住んでるのは県庁まで徒歩15分ほど、玄関口たるJRの主要駅までは徒歩30分ほどかかるかも知れないが、市の中心部に程近いあたり、まぁ、ごく普通に住宅街の真ん中だ。
それでもなお、私は田舎に住んでいる!

京都の実家は、府境に近いベッドタウンだが、物流に不満はない。その気になれば大阪や京都、奈良の中心部まで1時間そこらで行ける。静岡にしても、静岡市内であれば買い物に不便はないし、ちょっと足を伸ばせば自然に身を浸すことができる。
どちらにしても、閉塞感は何もない。
 
今の居住地は、閉塞感アリアリだ。
街の雰囲気からしてそうだ。時代の流れに取り残された、としか言いようがない。
静岡は東京と大阪の中間地点において、時代の流れに常に追従することを求められた土地だ。街は常に動いている。流れ込んでくる情報を取捨選択し、理解し、発信する――みんなそれを自然にやっている。

だが今の土地は違う。そもそも情報が入ってこない。情報刺激を得られないから、取捨選択する能力も、更なる情報を得ようという意欲も乏しくなる、ように思える。
スローライフといえば聞こえはいいが、早い話が世界のペースに合わせられないんだな、この土地は。

世界から取り残されそうになる焦燥感にかられながら、まだしばらくはあの土地で暮らすことになる。