「未知との遭遇」

♪ウィンウィンルルルピンポン♪

 

そのタイトルを初めて目にしたのは、多分「ドラえもん」の秘密道具「未知とのそうぐう機」だったと思う。

 

後に、私の母が仕事で手に入れてきた「未知との遭遇」のプラモ――の箱とジャンクパーツをもらったりする(確か、仕事で「宇宙ものディスプレイ」作った残りで、アダムスキー型UFOだけ使ったんじゃないだろうか?)。

 

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しかし、その後も実際に見る事は無く、このたび「午前10時の映画祭」で上映されることを知り、この機会に見とかない法は無いと東宝会館へ。

マイナー作品の佳さはもちろんあるとして、エバーグリーンな名作はそれなりに「一般教養」として見とかなきゃという焦りがどこかにあるんだよね。

 

まあ、予備知識は殆どなく、「マッシュポテトでデビルズタワーを作る主人公」くらいしか知らなかったわけだ……。

 

まず冒頭、砂漠のグラマンTBF(TBM)アベンジャー雷撃機

ここからして不穏なムードが漂う。パパ・ブッシュの愛機というより、大戦終結直後に「バミューダ・トライアングル」で消えた機体として知られる(偏見に基づく)機体である。

続いてアメリカ、無垢な子供バリー坊やとその母尻餡ジリアン、。一転して別の家庭では、平凡なパパであるロイ・二アリーと生活に疲れた妻、そして三人のガ……子供たち。……次男よ、君は何故人形をそんなにガンガンと破壊するのだ? 

交差するはずのない母子と、ロイ・二アリーの衝撃的な出会い、中盤のバリー坊やの失踪(SFというよりホラーである)、更に二アリーが自宅の中に「熟慮の上の愚行」というか、突如としてしでかした蛮行。

これSF映画だったよね? サイコサスペンスか何か? という困惑と、部屋の中に出来たものを見ての納得せざるを得ない圧倒感。なるほど金網は、鉄道模型の情景製作で出ていたナ。ジョン・アレン氏が厚紙で骨組を作って山を製作する技法を発表して以来金網は……というわけでもないのか。

(まあこの場合、金網でないとダメだったのか)

 

そしてラストのオチは釈然としない部分があるものの(あそこで「彼ら」かそんなに姿を現すのはなんというかマクガフィン的な謎として残しておいてほしかった気がする)、全体的には満足でした。

しかし、

「楽しめた」映画なんだけど、「面白い」かというと、面白いには違いないが万人受けするかというと難しい気がする。

徹頭徹尾SFガジェット出ずっぱりのスペースオペラとは違う、日常生活を送りながら非日常のトラブルに巻き込まれた一般人のもがき苦しむ話、今となっては――その素晴らしさに共感してくれる仲間が欲しいなあと切に願うのである。