マニア様がキテる――東京行2011/01/29・喫茶店“さぼうる”は今日もにぎやか(第2回)

昼食は秋葉原カツサンドとか、この界隈でロシア料理も考えたのだが――。

約半世紀の歴史を持つという茶店「さぼうる」へ行き、コーヒーとミックストースト(6種の中から野菜とチーズを選択)で昼食。

薄暗い(仄明るい、か?)照明の下で、小さなテーブルが並ぶ狭い店内では、蝶ネクタイのボーイがせわしく動き回り――いや、いいなあこの雰囲気。
先日の「ポプラ」もそうだが、いかにも喫茶店らしい喫茶店だ!
そう――。

サボリの番長がコーヒーをすすり、醒めた目で窓の外を眺めて過ごす。
品行方正な生徒会長「高校生が喫茶店に入るなんて不良よ!」と叫び、しつこく彼を追い回す。
「どうも、あのメガネの会長さんは苦手だぜ!」

だが、そのうち互いの人間性に触れていき、意識し始める。
「へえ、あんたも意外と女らしいところがあるんだな」
「な、何よ?」
彼はコーヒーをブラック、彼女はレモンティーに砂糖ひとつ。静かに流れる二人の時間。

そしてある日、他校の不良にからまれた彼女を守るために、乱闘騒ぎを起こす番長。
「会長さんよ! あんたは帰れ! こんな騒ぎに巻きこまれたら、あんたも停学になるぞ!」
「番長!」

教師陣は彼の退学を叫ぶが、生徒会長は全校集会で真実を語り――
「好きなの! 私は番長のことが好きなの!」
全校生徒に祝福されながら、番長の力強い腕に飛び込む生徒会長。
いま、二人の頭上には太陽がかがやく。





って、いつの時代の少女漫画だよ!
まあ、そういう妄想についついひたってしまう雰囲気だ。
半世紀の歴史があるというから、少女漫画チックなムードどころかヒッピー・ムーヴメントに学生運動ベトナム反戦の熱い空気も流れたろう。そういう歴史の積み重ねによる厚み、重み、そういったムードと時間を楽しむために、人々はここにやってくるのだろう。

必ずしも絶品、とまで言わないかもしれないが、トーストもなかなかである。厚めで小ぶりにカット、その上のチーズも厚めで、トマトの上にはマヨネーズののったスプーン。なんというか……食べておいしい、と感じるサイズに仕上がっている。
隣にはパーラー「さぼうる2」があり、そちらは食事メインらしいのだが――次に来るときはまた、ぜひ、だな。