いつか街で会ったなら

携帯にメール着信。
だいたいにおいて、私のところに入るのは実家からか、あるいはメール会員登録してる大阪・日本橋のお店からか、と相場が決まっているのだが――今回は後者、だった。
 



閉店が決まった、との事だった。


昨日のメールが、いつものテンプレ状態といささか趣きが異なっていたのは、この予兆だったか――。

……その店を訪れるようになって、かれこれ4年ほどになるだろうか。訪れる回数が少ないだけに「この初期ポイントカードを持ってる人は最早いない」と驚かれたりした事もあったが――なるべく機会を見つけては訪れるようにしていた。
予約を取るのに電話した時「あ、去年いらした四国からの方ですね!?」と思い出してくれたことも、結構嬉しかった。
場の雰囲気、会話、次にまた来ようと思うドキドキ感。そういったものが好きだった。

確かにこのところ、スタッフの方の“卒業”とか、営業時間の変更も多かったようだ――色々、運営は難しかったのだろう。
私自身は年に何回も日本橋へ出られるわけではない、年に2、3回といったところだ。――そういう意味で先月実家に帰ったのは正解だった。
しかし、それを知ってしまったが故の……一種の飢えというか、無念さがつのる。
次のGWは静岡行きが確定している。5/1夕方か5/5に無理すれば行けるかも知れないが……無理がありすぎる(向こうでの用事もあるしな)。この先日本橋へ出るとしたら――6月・7月に3連休は厳しい。8月は祖母の初盆があるし、多分10月の連休だ。
なまじ実家が京都なだけに「高速バスで土曜の夜に出発→日曜早朝に大阪着いて一日遊ぶ→夜に大阪出発して月曜早朝に戻る」という強行軍は……出来なくも無いが、心理的にも予算的にもきつい。
 
もちろん同業の他店は、日本橋には他にもあるし、そうした店へ行く事も今後あるだろう。
が、それでも、年に数回しか行けない日本橋、となると――「馴染みの場所」というのが、やはり欲しかったのだ。そして私にとってそこは(ま、常連と言えるほども通ってないわけだが)、一方的かも知れないが、そういう場所だったのだ。
 
もしかしたら、スタッフの方々は他店へ移ったり、何らかの形で日本橋という街に関わって行くかもしれない。あるいは全く別の道へ進むかも知れない。
でも、もしあの街で再び出会うことが出来たら――と思いは脳裏を巡り、頭の中であの曲がぐるぐる回る。

普段はなんとなく、iPodに入っててもスキップしてしまう曲だけど――。
 
閉店までに再び訪れるのは難しいと思う。未練ではある。
けれど、あるいは、だから――もし、あの街のどこかで会えたなら。