ポーリュシカ・ポーレ

頭の中でぐるぐる回るのが、
非情のライセンス」のテーマ(と、天知茂の「非情の街」)に変わる。


……すっきりしない。
 
速水螺旋人氏のブログで
“「天空のリリー」版のリリーと「馬車馬戦記」のマーシャを会わせる二次創作への欲求に駆られております”
云々とあり、ぜひ読みたいナァ、とは思うものの、富永氏の「ディエンビエンフー大作戦」においてはマーシャ入隊はリリーの行方不明後、となっており――。

いや、そこは、“マーシャはリリーの消息について、あえて語らなかった!”
では
“何を語らなかったのか!?”
それは“リリーが死を偽装しての秘密任務に向かった事”を!
 
サロマーティン大尉の死後、孤独の影を道連れに飛ぶリリー。その心情を慮った上官は、訓練部隊の教官として彼女を一時的に後方へ送る。
ほんのしばらく前の自分達のような、まだ無垢とも思える訓練生達――そこで彼女が出会ったのは、秘密(年齢詐称)を抱えたウラル出身のさえない女の子だった。
彼女を鍛え上げる中で、本来の明るさを取り戻せそうになるリリー。だがそこに、極秘指令を抱えた男が現れる。
優秀なパイロットである彼女に与えられた任務――それは、“戦死”を偽装する事で存在を消したうえで、敵地ドイツに潜入し、開発中の“ジェット戦闘機”Me262を奪取するのだ!
成功すれば政治犯である父親の名誉は回復される。だが拒否すれば処刑される――。そしてその会話を、マーシャは偶然聞いてしまった!
苦悩の末、彼女はその指令を受ける。父とマーシャの安全のために。
マーシャと共に実戦部隊に戻るリリー。そして直後の出撃で彼女は、無傷の愛機を捨てる――。まるで白薔薇の様なパラシュートを、マーシャは見送った。

民間人に偽装し、潜入スパイの援助でかろうじてドイツ領内を移動するうちに、辛うじてドイツ語の日常会話はこなせるまでになったリリー。彼女はメッサー社工場近くの酒場でウェイトレスとして働きながら、職員やパイロット達の会話に耳を澄ます――未知の機体の手がかりを探るために。
そんなある日、“スイス帰り”だと称する好青年、ヴィルと出会う。リリーは彼にサロマーティンの面影を見、どこか惹かれる自分に気づき狼狽する。

そしてある日、工場に潜入したリリー。夜陰に乗じ、翌朝のテストのために待機していた1機を強奪し飛び立つ――緑萌えるロシアの大地に! くぐりぬけたら父とマーシャの笑顔が待っている!!

我に追いつくフォッケも109も110もない! ――だが、彼女の後方から迫る機影があった……夜戦型のテストに派遣されていた“スイス帰り”ヴィルヘルム・ヨーネンの駆る、もう1機のMe262だ!
 
 
 
って、それもうマーシャ関係ないストーリーじゃん!
つーかそれはもう「ファイアーフォックス」だろうがっ!!
大体、Me262の初飛行とか、その情報がソ連に流れたのっていつなんだよ……。サロマーティン大尉の事故死とリリーの戦死、ヨーネンのスイス拘留と262試乗っていつだったっけ……。