「エロイカより愛をこめて」――グリップは握れればよいというものではない、断じて違う。

もうちょっと時系列を混乱させ――いや、話を前後させるが、グアムでの実弾射撃は2年前にも行っている。
その時は前述のT.O.R.I(Tactical Outdoor Range inc.)ではなく、当時ちょうど銃器雑誌で取り上げられ始めていた“G.O.S.R. (ゴーサー)”(Guam Outdoor Shooting Range)  http://www.gosrjapan.com/ へ行った。
こちらは射撃場に併設されたクラブハウスが事務所で、途中で弾の追加や、他の銃も撃ちたくなった時にもすぐに対応できる。弾も当然リロードでなく「火薬を減らしてない」ファクトリー弾薬を使っているので、屋内射撃場より高いといえば高いが充実感はある。2日続けて通い、確か初日は盛りだくさんの内容の“Eコース”(当時は日本からの予約特典で9mm弾が10発サービス)だった。
こちらでもP226を撃ちたかったが、たまたま保有が無かった(他の人が使ってたんだったか?)ため、そのコンパクト版であるP228を撃った。「エーベルバッハ中佐」で少佐、いや中佐、というか少佐? が使い、その後「Z」最終話でZ君が使った拳銃である。

スライドと銃身、グリップが短いため、P226より反動が強烈になるかな? とも思ったが恐れるほどではなかった。トータル30発というのは確かにちょっと物足りないが、その感触はP226譲りの信頼感を感じさせた(まあ、その時点で丸4年のブランクがあったわけだし、あまり比較しにくいとは思う)。
で、
小型の方が大型より撃ちやすいのではないか? と思う人は多かろう、が、一概には言えない。というか、小型でも大口径の銃や、大型でも小口径の銃はあるし、同じ弾を使う銃なら、重くてグリップが太いほうが撃ちやすくなる。
グリップが大きすぎても困るが、あまり小さくても手の中で安定が悪い。反動で“暴れ”てしまうのだ。
グリップに関して言えば、ケータイの使用感に例えれば判るだろうか? 私はDocomoP705iμを使っているが、N705iμと共に9.8mmの世界最薄というのがウリ(カッコいいんだ。おかげで当分更新する気は無い)だが……片手でメールを打とうとすると、手の中で動いて実にやりづらい。結局左手で持って右手で打っている。マグナムは片手で撃てたのにねえ。 
とりあえず、前述のS&W・M15は、中型で重すぎず軽すぎずの銃で、かつ細すぎないグリップ。更に反動がそれほど強烈ではない.38スペシャル弾薬の組合せで、極端に突出したものはないけれど破綻もない、と思う。これが同じKフレームでもM19から.357マグナムを撃ったなら、銃が軽くて反動を抑えにくかったろう。。(細身のKフレームでは、マグナム銃としての長期耐久性という点で問題があるのも事実だけれど)
重くて反動を抑えやすい、という点では、T.O.R.Iで撃った.357マグナムのS&W・M627PCが挙げられる。これは片手では撃たなかったが、大型のNフレームに太く長めの5インチ銃身、直径の大きさを生かした8連発シリンダーの組合せで――反動は確かに鋭いものの、それほどストレスは感じなかった。 
では、.44マグナムは?
T.O.R.Iで撃ったコルト・アナコンダ、そしてG.O.S.R.で撃ったルガー・スーパーブラックホーク。この2丁を撃った結果やいかに!……

ホントはS&W・M29かM629が撃ちたかったんだけどさぁ(嘆息)。
次回へ続く。