初期「こち亀」のマニアックさの一端。

こち亀」は初期から、というか初期の銃器のこだわりは、今見ても凄まじいものを感じる。


いつからか台詞改変とか入ったり、背景の書き込みとかが消されちゃったりとかあったが、地味にじわじわとくるものがあったんだよ……。


第1話、中川のM29と両津のニューナンブM60の対比において、
「みかけのわりにかるいでしょう、Kフレームでできてます」
「弾丸は44スペシャルです」
……大型NフレームのM29を、中型Kフレームで作ってどうするんだ。これも「判る読者向け」ギャグなのか? 確かに作画的に、フレームのバランス的にNというよりKって感じなんだよね。
そして44スペシャルなのは、「ダーティハリー2」におけるライトスペシャルが元ネタなのだろうか……とか考えてしまう。

あの対比のコマで、銃口付近に何やらスリットが刻まれているが、一般車に向けて撃つシーンで、そこからもマズルフラッシュというか、発射ガスが上方に噴き出している。

1976年当時にマグナポート切ったM29だとっ!?

――私の手元にある1巻は山止たつひこ名義時代の、1978年6月30日・第7版(初版は77年7月31日)。
イチロー・ナガタが月刊「Gun」誌で“SFPDの恐るべき二人組”囮捜査担当刑事ビル・ラングロイとダン・ブルワーのコンビを特集したのが翌79年の8月号、
そして続く79年9月号で、反動でのマズルジャンプを抑えるためのマグナポートを切った、ビル・ラングロイのM29が出てくるわけだが、それ以前に秋本治はマグナポートを知っていた(79年以降に加筆修正したわけでない)事になる……。

もしかしたらターク・タカノの記事か何かで既にそういうのを知ってたのかも知れないけれど。

最終回ゲスト、ホノルル市警の刑事ポールがいかに変貌していたかは、この横顔――2巻当時、1977年の元旦――だけで判るだろう。

戸塚の「本庁の加納の銃と同じ」という台詞が、昔は意味わからなかったんだ……。私がこのエピソードを初読した当時、既に「ドーベルマン刑事」は終了していたのでね。

ポールが中川のために密輸してきた、ディック・カースルのカスタムした.454ウルトラブラックホーク
マグナム弾も.44でなく.454のワイルドキャット」で、肉厚の薄い6連発ではノーグッドで5連発。
「日本人でたえられるガンマンは、国本圭一(言わずと知れたウエスタンアームズ社長)とミスターナカガワくらいで……」
……永田市郎が一躍スターダムに躍り出る(?)には、もう少しの時間が必要だったのだだだだ。

.454カスール弾薬がきちんとレポートされたのは、Gun誌1985年9月号にて、ターク・タカノがフリーダム・アームス.454カスールをレポートしたのが最初だったんじゃないだろうか?(同じ号でジャック・タクボはインターダイナミック・KG9を、床井雅美はバルメM82をレポートしていた)


そして2年後の13巻、79年の節分には、より少女漫画チックになって再登場するわけだが……、あ、この時に乗ってるバイクって、バンビーンロータリーエンジンだ。


13巻では麗子が単発のデリンジャー(はい太腿!)やベレッタM12を使っていたり、弱小ヤクザの密輸拳銃と輸出用モデルガン(金属製だが黒色仕上げ)が混ざったり、いい感じで遊んでるなあ……。


ところで、手元の月刊Gun誌1976年10月号にて、

時期的には恐らく読み切り掲載直後に描かれたのではないだろうか?