上のタイトル間違い。
正しくは、
「七夕」の日――7月7日、白昼の戦慄!
である。
えー、本日は第2回静岡輸入車ショウに行ってきたわけだが。
……コーンズでは、なんとフェラーリFFと458イタリア、ベントレー(機種はなんだったろう? 聞きそびれた)の試乗車を用意していたのだが――試乗を申し込むか悩んだ末、458の順番を待つことにした。
FFやベントレーも気になったけどさ……。
待つこと約1時間、ちょっと食事を済ませてからブースに戻り、いよいよ白い458イタリアとの対面。
運転席の写真を撮ってる余裕がなかったので(結構スケジュール詰まってそうだった)――いや、ステアリングに大半の操作系が集まっていた。
ステアリング自体にスイッチ類が多くついている。
パドルシフトはもちろん、エンジンスターターやウィンカー(コラムレバーでなく)のボタン、走行モードのセレクトレバー、他にもオーディオ系とか多分ワイパーもか?
まるでジェット戦闘機のHOTAS(Hands On Throttle and Stick)――この場合スロットルはともかくステアリング握ったまま、ってことになるが。
私のアルファ159のステアリングについてるのはオーディオスイッチとハンズフリー(本国用)くらいか……むう。
おそろしく着座位置が低い。しかし以前エリーゼやエキシージの試乗でやったような“サイドシル腰掛け→シートにしりもち→身をよじって足を押し込む”様なこともなく、割と楽に乗車できた。
正面には回転計、その横にちょこんと速度計が……見にくいけど、まあ速度計なんて、周囲のクルマの流れの中で自分のクルマの位置を把握してれば大して見ないしね!
わずかな段差にも気を使う。ツインメッセの関係者駐車場から出すのにもヒヤヒヤだ。操作系は思ったより軽い感じで……
フォロロロロォォォォォンンンッ
あれ、音はすごいけど、まだ30キロ程度しか出てないの?
「もうちょっと踏んでも大丈夫ですよ」というコーンズのスタッフ氏の声に、もうちょっとだけ踏んでみる――ああ、うん、とりあえず普通におとなしく走れたな。
で、南郵便局〜SBS通りへ出たところで、セレクターをスポーツ→レースモードに。
「排気音もアクセルのレスポンスも足回りの動きも変わりますよ」
なるほど……(そろり)。
フォガァアァアァアァアァアァァンンンッッ
速度は――辛うじて超過させてない――のが不思議だ!
なんだこの加速! 通常の三倍のスピードか!? 法定速度に達するまでの時間が異様に短く感じるぞ!? ステアリングがクイックに、足回りも硬く(しかし不思議と跳ねる感じは無い)感じる。
で、スタッフ氏――「よかったら、途中で変わって(更なるレベルまで)踏んであげましょうか」(ニヤリ)
……私はその誘いに乗った。
タミヤ本社を過ぎて競輪場近くの交差点でバトンタッチ。
左折して静岡競輪場の通りを――数十メーター先に前方に軽ワゴンが見え
フォオゥオゥォォオォォォガァンンンッ
軽ワゴンが黒い巨大な壁と化して眼前に接近する。
どこかスローモーションのように感じながらも、それは瞬間。
まるでワープ感覚。
髪の毛が逆立つ、という感覚を初めて体験した。
そしてふわりと軟着陸するかのように、信号待ちで停車した軽ワゴンの後ろにするりと停車。
……えーと、ここ交番の前だっけか。(←一本隣りの通り)
アルファ159だって遅い車ではないんだけど、458のほうが100キロほど軽くてパワーは3倍強、別次元だ。
済生会病院前の交差点を左折してツインメッセ方面へ。
――ゆるりとおとなしく走る事も出来れば、サーキットで限界まで駆ける事も出来る。時速300キロの世界へ到達できるスーパースポーツ。フェラーリ458.
その一端を、ツインメッセまでの短い距離で見せてくれるスタッフ氏。……見せたかったんだろうなあ――あー、あー、あ゛ー!
右足で、ありもしないブレーキを踏もうとする私――
「7月7日 杉村徹、七夕に死す」シャレにならんっ!
とりあえず、私は生還した。
……これは私の世界ではない。色々な意味で。
「どうでした?」とスタッフ氏。スーパーカーは基本的にみんなこうだという。
――これはクルマではない。
これはフェラーリというなにかだ。
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