補足が許されるだろうか

種谷刑事のことをちょっと書いたが、


探偵とは別に真相を追っている彼がいてこそ、ラストのどんでん返しが引き締まる様な気がする。
というか、原作だってあの犯人の正体は――だから映画観る前から判ってたんだけど――みんな、とんでもない勘違いをしてた結果なわけだが、

これが栃脇陣営、反栃脇陣営、第三のグループという「同じ穴のムジナ」謎の渦中の人物たちではなく、謎を暴かんとする側の人物である探偵と種谷刑事だから「俺たちの勘違い」というコトバになる。
もうちょっと言えば、真相を追いながらも敵対勢力に追われる側でもある“探偵とその仲間たち”と、あくまで敵を追う側である種谷。

探偵たちと種谷は、同じヤマに噛んではいても仲間ではない。
にもかかわらず「俺たちの勘違い」と探偵は言った。

立場の違う者同士が真相にたどり着いて「やれやれだぜ」となる、あの一種のカタルシスは映画の方には、ない。