その少女はまるで、
くるおしく身をよじるように、
撃つという――。
その小柄な身体に内包されたスペックは、
パワーで600馬力、
トルクで80kg/m、
ゴルフボールで320キロバトル。
公社の
白い悪魔――ッ!
「ハハッ、ジャンさん、今日はどうしました」
「ヘンリエッタをもう一度頼むよ。
何よりも強靭で、何よりもしなやかな
炭素フレームと人工筋肉に
仕上げてくれ」
「わ……我々には出来ませんよぉ」
少女のカラダを機械で再構築する――。
そういうコトをしてもいいんだと。
それがどんなに恐ろしいことか、判っていなかった。
あふれんばかりの理想と希望、
そして、ひとかけらの狂気をつめこんで組み上げられた、
“義体”という名の人型兵器。
「お前ら、アンジェリカを義体化した時のことを覚えてるか? 父親にクルマで跳ね飛ばされて身体中グシャグシャ。
俺たち作戦2課員は、誰もが“もうダメだ”と思った。だがお前達は違った。
本当にいい仕事だった」
「あれはもう天使だ。
おまけに、すべての災厄に死の鉄槌をくらわす。
あんな少女はどこにもいない」
「ほら、ゆっくりとイメージしろ
アマーティのヴァイオリンケースを抱えた
白い悪魔だ……。
いまジョゼを護るため、ゆっくりと一歩踏み出した。
細い両足はうなりをあげてステップを踏み、ジョゼにつかみかかったテロリストをヴァイオリンケースで殴り飛ばす。
魔法の様に現れたP90は、小さな手の中で無慈悲に咆え始める。
フルオートで2人目を倒す。薬莢が落ちるより早い。
3人目、4人目、その両眼は確実に標的をとらえているか?
余計な感情に惑わされていないか?
そしてスペアマグにチェンジ。
5人目…6人目…
さあ、敵は次々と撃ち返してきた。
7人目…8人目…
ヘンリエッタ、ジョゼが選んだ少女は、
悪魔と化してまだまだトリガーを絞り続ける。
もっとだ。ヘンリエッタはもっと戦おうとしている。
あとはお前たち次第だ」
「信じろ、お前たちは天才だ」
こんな「ガンスリ」やだ。
という声はあろうけれど、これが私の芸風だ!(……芸風?)
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