静岡浅間神社近くの――。

お題「好きなビール」

 

元々それほどビールは好きなわけではなかったのだけど、好きになったビールがある。

 

――私見だが、何かと「とりあえずビール」というのは、ビール嫌いを増幅する一因ではないかという気がする。 

「苦くて嫌い」というアルコール初心者も多かろう。そして飲み会等において

「最初の乾杯はこれに決まってるだろう!」

と強要するのは、ビールが好きでもない者に対してはアルハラの第一歩である。

 

だいたい、アルコールはそのシチュエーションによって大きく味わい、好みが変わってくる。ビールのうまいシチュエーションとはなんであろうか、と考えて……基本的に「職場の飲み会」が好きではない(メンツにもよるが)私である。

 

そもそも酒を飲むのに、誰かとワイワイ騒がねばならぬと誰が決めた? 大して好きでもないありきたりなビールを、楽しくないメンツと飲んでも、人生は豊かにはならない――と言ったら大げさだが、とにかくつまらないしストレスでしかない。

 

「飲み放題」という言葉がステキワードとして蔓延して久しいが、所詮は「飲み放題にしても店側としてペイできる様な悪酔い一直線の安酒」というのが基本であって――その内容に納得して飲める例は殆どない。

 

誰にも邪魔されず自分の好きなものを飲む。自宅であれ外食であれ、ひとり飲み最高。

 

シチュエーションについてひとつ、確か2014年の横田基地オープンハウスだったと思うが、炎天下で喉がカラカラになった時にグッといったビールは――確かに軽く薄いうっすい代物だったが、よく冷えていて軽い味が優しく身体に染み入るようだった。あのシチュエーションだから、のうまさである。

 

ちょっと脱線したが、基本的に私は金色のビールをがぶ飲みするより、ギネスの様な黒ビールをゆっくりすする方が好きである。ぬるくなる? 上等。

ギネスの業務用缶(ボールの入ってない奴)と泡立て用の機械の組み合わせ、家庭でもやりたいのだけど、何とか手に入らないだろうか、と時々思う。

ベルギーのチェリービール、ベルビュー・クリークもよかったが――缶だとちょっと違うんだよ――樽で出してくれるところは静岡にないだろうか?

 

そんな私が現在お気に入りなのが、静岡産のクラフトビールアオイブリューイングのゴールデンエール。

元々、静岡市の中心部――呉服町に「マンドウ」という店があり、スペイン風バルをコンセプトにした居酒屋でタパスとか多彩、かつ日本産ワインにもこだわっていたりして、リーズナブルでおいしかった店であった。一度職場の有志で飲み会をやった時、やや無茶な注文であったが上々なコースを組んでくれて――飲み放題メニューも多彩で、ビールは確かハートランドと赤エビスだった。

更に、私は十代の頃は静岡を長く離れていたので知らなかったのだが、静岡の高校生の青春の味というべき「チェリービーンズ」のポテトが食べられる(元々オーナーが一緒だった)というのも人気の理由だった。なるほどクセになる。

チェリー ビーンズ

――が、マンドウは大変お気に入りだったのに、2014年の初夏に閉店した。

あまりに突然だったので一体なんで? とショックだったのだが、次第に事情が判ってきた――静岡浅間神社の近くでクラフトビールのブルワリーを開始し、そちらに集中するために閉店したというのだ。

自宅から歩いて二十分足らずの浅間神社近くでブルワリーと併設の「ビアガラージ、そしてデンビル(旧・電電公社ビル)1階のビールスタンド「アオイビール」で飲める。

 生憎とスタンドではポテトは食べられないが。

グローストック

やはり普通のビールと比べて、概して「味の濃さ」を感じるというか、喉越しよりもあまりキンキンに冷やさず――むしろ次第に常温に近くなっていくにつれての変化を楽しむのが吉。という気がする。

 

スタンドに集まる客層も、飲んで騒ぐのは変わらないとしても――「こだわって飲みに来てる」感があるというか、なかなか濃いメンツがそろっているというか、いい感じに「一人が大勢」で、なんとも落ち着く。

 

ともあれ静岡の地場ブランドの一つとして、これからも応援したいのである。

 

 

――当分、糖質的な意味でビールとはおさらばだけどさ。

(中ジョッキ1杯で……えっ、ざっと計算してグラスワイン100mlを5杯の方が糖質少ないの? え? え?)