サタデーナイト・フィーバー

先日DVDを見たのだが、



……ボビーがどうにもなあ。





トラボルタ扮するトニー・マネロはマッポー・ブルックリンの塗料店で真面目に働く青年だが、イマイチどうにもパッとしない日々を送っている。楽しみと言えば週末のディスコ・アトモスフィア空間でダンス・ジツを披露する事くらい。タツジン!


ある日、マンハッタン・イシキタカイビルで働くカチグミ・サラリマンであるステファニーと組んでディスコ大会に参加を決めるが、どうにも彼女の言動が欺瞞!

更には前年度大会のパートナーでもあったアネットは、
「激しく前後シマショウ! アタシいま体温何度あるのかなーッ!?」
と迫ってくる、コワイ!

……最終的にはダンスリアリティショックを受けて呆然となるトニーだが、一貫してボビーが、なんというか、その。



彼女ができて喜ぶのではなく、彼女にデキて狼狽えるのだが、仲間はまともに話を聞いてくれないか、聞いても望むような(納得できるような)答えを返さない。

トニーの兄で神父をやめたばかりのフランクに相談する。
ローマ法王は、彼女に中絶させても許してくれるカナ!?」
「そんなわけないだろう」
と返される。

そりゃそうだ。

ステファニーに相談する。
「"オレの友達"のスケが妊娠して……キミならどうする」
「堕胎して、その男(言われるまでもなくアンタ)と別れるわ」
と返される。

そりゃそうだ。



ステファニーにしても、鼻持ちならないナオンじゃよー! というのは確かだが、それでも夢を描き抱いて努力はしている。方向と手段と現状が正しいかどうかはともかく。


トニーにしても、周囲から理解されないオレ辛い状態ではあるし、現状がどうにもならねえのじゃよー! ともやもやしつつも、もがき方が判らない。もがいてあがいてみたら、ワザマエのプエルトリカン・ペアにノックアウトされる。トニー! おめえは試合に勝ったが現実には負けたんだ!(謎)


で、ボビーは……少なくとも常識人である二人から、方向性は違うがそれなりに筋の通った(客観的にはもっともと言える)回答を得ても、結局決められない。
八方丸く収まりそうな都合のいい回答を求めたかったのだろう――どっかの知恵袋みたく――が、そんなものはないまま、あの結末を迎える。

同情できないがやりきれない展開であった。
……そしてアネットと残りのメンバーはどうなったのか? あまりハッピーな展開にはなってない様な気がするが、いささか気になる。