軽自動車の税金

軽自動車の利点のひとつが、まさに税金の安さであることに異論を唱える人はいないと思うが――。

税率が上がったら、軽のメリットはほぼ消えるよね?






……私は軽自動車という規格は、むしろそこに安住すべきではないというか、廃止を考えるのもアリではないかとも思える。

「地方在住で複数の車を所有する必要がある」「生活の道具として安く維持できるクルマが必要だ」など、それなりに正しい理由はあるんだけど、同時に苦々しさも感じているわけだ。

私のように、クルマというものを単なる移動手段として見ない(クルマなんだから移動手段として使えるのは前提としても)――それなりに趣味性を求める向きにとっては、

「軽自動車の性能や質感は普通車並みに向上した」

なんて台詞は、
欺瞞にすぎない。
と思える。

ならばなぜ今も5ナンバー、3ナンバー規格のクルマが生産され続けているのか? 軽自動車で置換されないのか?
カンタンだ、軽自動車では性能的にも及ばない領域というのは確かにあるからだ。単純に排気量とかいう話ではない、トレッドホイールベースが軽自動車の規格では広く長くとれない、ということはタイヤやサスペンション、車重等の条件が同じなら(もちろん実際にそうはならないとしても)、理屈から言えば直進安定性や運動性は軽規格では及ばない。

だいたい、軽規格そのものがどんどん大きくなっていることを忘れてはいけない。それによって「余裕を稼いできた」といえるわけで……狭い道路において今時の軽自動車はムダにでかすぎる気がする。
もう一つ、「軽自動車は維持費が安い」というのは、税金以外に軽自動車のドライバーは「滅多に長距離の移動をしない」とか、「道具以上のものを求めないので、メンテにカネをかけない(かける気にならない)」とかいうのもあるんじゃないのか、という気がしてならないんだが。

結局、軽自動車をファーストカーとしてチョイスするのはアリだと思うし、「軽自動車で十分」という人の意見を否定する気はないが、軽規格は自分の求めるところではない、という意見を否定される謂れもないし、軽で十分じゃん、と押し付けられるのもまっぴらなわけだ。

……むしろ選択肢を広げる一助として、普通車の税金が安くなってくれた方がいいんだけどなあ。