帰宅早々バルケッタ?

「アンタ、バルケッタって知ってる? 左ハンの」

帰宅早々、母の発言。
勿論バルケッタは知っている。大好きだ。

フィアットバルケッタ。初代プントをベースに作られた1.8リッターのFFオープンだ。その名の通りの小船みたいな、ちょっとクラシカルで愛らしくも流麗なフォルム――もし、あの地で失った最初のアルファ145の――あるいはその前のE36系318iの代替が、これだったなら、私はアルファに拘泥する事はなかったかもしれないが、イタリアンの泥沼に埋没していたことは間違いない。(特に、初代145の後継機なら)

しかしなんでまた? 私が「159買うなら左ハンも許容せざるを得ない」と言うのに難色を示していたのに。

聞いてみると、たまたま親戚のおばさんとの電話で私の話になり、「左ハンを」云々からバルケッタってクルマがあるよ」と教えられたらしい。

まあ、バルケッタなら、145に履かせてた手持ちのOZウルトラレッジェーラ16インチも使えるはずだが――いやいや、そもそもなんでそんなのを向こうは知ってるのだ? 乗ってたのか?
「そうじゃなくてね、前まで“赤ちゃんでも乗れる”クラウンに乗ってたけど、ランチアに乗り換えたんだって、左ハンドルのマニュアル」
ランチア、ねえ……正規輸入が絶えて久しいが、なんだろう? ストラトスは論外として、デルタか? ガレーヂ伊太利屋イプシロンか?
何でランチアに乗ったかは聞かなかったらしいが、
「“よく左ハンに乗れたね”って聞いたのよ、そしたら“他人の迷惑にならないように、ひとのいないところで練習させてから公道に出させた”んだって」

謎が謎を呼ぶ!