平成を彩ったコミック・ラノベに見る個人の記憶――「東京爆発娘」

ガンアクションと美少女の組み合わせを得意とする漫画家としてつとに有名なのが、

伊藤

 

明弘か伸平かでその趣味が判る、というのはあまりにローディスト的な言い回しだろうか。

 

 

伊藤明弘は90年代以降のガンアクションを語るうえでかかせない存在だが、伊藤伸平も派手ではないが「語りたい」と思わせるガンアクションを描く作家である。

 

ソフトな絵柄、青年誌的というより少年誌寄りかな、という雰囲気だけど、「エンゼル・ハート」(北条司のほうではない)や「エンジェル・アタック」に見られる殺伐とした展開にドキドキする。

以前にも語ったかもしれないが、やはり「学園キノ」のコミカライズは、伊藤伸平に依頼すべきだったのだ。。

 

 

頻発する国際テロから海外邦人を守るための「特命コマンド」として活動する晶少佐――の娘、晶(アキラ)真理子を狙うテロリスト達。セルフディフェンス術を父親に叩き込まれた女子高生アキラと、彼女をガードするため“担任教師”として派遣された内閣調査室の小暮静江、警視庁公安部の半田刑事とタコ口の相方。

冷戦構造がどうにか終結するかしらん、したかしらん? という時代(出版は角川書店だが掲載は89年頃の漫画サンデーって……)の作品だが、「武装JK」という言葉もない時代、シリアスとコメディのちょうどいいバランス(単に銃を持った女子高生なら、それ以前にもいたはずだ)が楽しかったのだ。

――というか、私の持ってるのは色々加筆修正された角川ドラゴンJr.版で、それ以前に富士見版があったのか。